「素」の元・宝塚娘役トップ
ドコイクナニスル榮倉奈々さん、ポストウォーター飲み過ぎないでね加藤ローサさん、JR東日本のポスターに出始めたときから好っきゃで西原亜希さんらが出演するテレビ・ドラマ「ダンドリ。」(フジテレビ系、火曜夜9時)が面白い。 「面白い」とは言っても、物語は昔の日曜夜8時の日テレ系列みたいな「熱血青春吉川くーん系」なので、そういう場面はとっとと終わって踊りをやって欲しいと思う。と言うのもこのドラマ、アメリカ合衆国の大会で本当に優勝した、我が地元・厚高(神奈川県立厚木高校)のチアダンス部が題材になっているからだ。 面白いのはいろいろな障害を乗り越えながら成長していく女の子たちの姿なのだ。毎回の番組の最後で、主題歌のバックに、東京・味の素スタジアムで彼女たちが踊る「完成形チアダンス」が流れる。「そこへ行くまでの過程」を、僕は楽しみにしているのだ。 こんな思いをつい2・3か月前にもしたよなあ。「プリマダム」(今年4-6月期、日テレ系)も、やっぱり基本は「青春村野さんあいつらー系」で、なかなかバレエが出てこずにイライラした。 特に「生放送発表会」が話題になった最終回は最たるものだった。 発表会当日、主人公・佳奈(黒木瞳)の親友・蘭子(中森明菜)が倒れる、佳奈は目を覚まさない蘭子に付き添う、発表会の時刻が迫る、主役の佳奈は「私、蘭子の元を離れられない。笑子さん(神田うの)、私に代わって出て」、しかし笑子は一旦佳奈の夫・高太郎(古田新太)とのパ・ドゥ・ドゥーをリハーサルし始めるも「私、佳奈さんが来なけりゃ演らない!」と言いだす……ってあのねえ、親友が病気やからて舞台に穴空けたり、お客さん延々待たしたり、なんぼ発表会場面を盛り上げたいから言うて、もうちょっと現実味のある設定を考えてもらいたいものだ。僕が単なる「黒木瞳さんのファン」なだけだったら、とっくにチャンネルを変えていたはずだ。 やがて蘭子は目を覚まし、佳奈は慌てて発表会会場に向かう。メイクはタクシーの中だ。 一般公募で観客を集めて行った収録の舞台は、なんと一昨年の秋、僕たちも踏んだ東京・芝のメルパルク・ホール。生放送に切り替わり、古田新太さんの前振りで発表会が始まった。 黒木瞳さんと映美くららさんの「元宝塚組」はさすが「髪のひっつめ方」が堂に入っていたが、ことバレエとなると、神田うのさんと高岡早紀さんの方が明らかに巧いのがわかる。この2人と踊った加藤雅也さんは幸せだったろう。 古田新太さんは「意外と」バレエが上手だったが、調べてみると、大阪芸大ミュージカル科の出身なのだ。彼や松島トモ子さんなど、多少経験のある人が初心者のふりをするのは大変だったと思う。 やがて一通りの演目が終わり、カーテン・コール。明菜さんの主題歌をバックに、ホッとした汗だくの顔の黒木瞳さんのご挨拶である。出演の皆さんの努力の跡と共に、大阪ローカルの番組「おはよう朝日です」アシスタント以来25年ぶりの、素の瞳さんを見られたのはよかったと思う。
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