2階席からの眺め
去年の Los Van Van 東京公演は、僕にとって初めての彼らやったし、あと自分の身体の調子の問題もあった(しっかり体調管理して行かんとあかん、という緊張感があった)けど、今回はよくも悪くものんびり観た(8/10, Los Van Van 横浜公演、横浜 Blitz) 。 下に書いたとおり、まずは主に後ろの方で踊っていた。ハコがそんなにデカくないし、ほどほどの人の入りなので、それでも十分ミュージシャンたちは見える。去年はコンサートに来る前に彼らのCDを一通り聴いて復習しておいたが、今年はそんなこともしなかった、そういう意味でも緊張感が少し欠けていたのだが、それでも定番曲はすぐ思い出すし、知らない曲でもグルーヴを感じさせてすぐ乗せるのはさすがだと思う。 やがて「2階席で座って観るね」と言って上がっていった妻が「2階でも踊れるよ。よく見えるし」と言いつつ降りてきたので、僕も彼女について2階に上った。確かにスペースはあるし舞台はよく見える。もっとも1階のお客さんとの一体感には欠けるし、音はみな1階へ向けて出ていたけど。でも、僕のこのコンサートの「今年の味わい方」には合っていたと思う。 「世界で一番計算が速い国民は?」と問われると、「日本」と答える人は多いと思う。なるほど、普通「計算」といわれて連想する、やれ筆算だのそろばんだのといったものをやるのがうまいのは、確かに日本人だろう。しかし、別の意味での「計算」が一番速いのは実はキューバ人ではないかと、僕はこの夜思った。 なぜなら--去年の東京公演のときも似たようなことを「キューバン・サルサ日記」に書いたが--例えば Yenisel Valdés "Jenny" がソロを歌っている、その後コロのパートになるとどこからともなく Mayito Rivera や Roberto Hernández がやって来てコロを入れる(それもピッタリのタイミングでマイクの前に来て、だ)、その「省エネ唱法」があまりにも絶妙なのだ。 Pedro Fajardo, Irving Frontela の2人のヴァイオリニストについても同じことが言える。本当に必要なときだけ舞台の上にいて力を注ぐ、それでいてしっかりグルーヴを出す。それでないと、わずか半月ほどで10本ものライヴはこなせまい。 ¿Quién va a Fukuoka? なんて舞台の上からヴォーカリストが観客に問うていた。当然、今回の日本ツアーの中心は能古島にある。 Isla de Salsa は期待できるぞー。行ける人、楽しんで下さいね。 コンサートがハネたあと、会場で久しぶりに会った、ルンバ/サルサ仲間で、住んでいる場所が僕らと近い恵子ちゃんに捕まって、否、捕まえて、ハコに程近いビア・レストラン「驛の食卓」(うまやのしょくたく;横浜・住吉町)にラスト・オーダー10分前に飛び込んで絶品地ビール「北鎌倉の恵み」をしばき、↓一見 hermanas (姉妹)のような2人。更にそれから3人で地元へ戻って中央林間駅西口の「庄や」で2時の閉店まで飲み、しかる後に僕は彼女を宇都宮公園の先まで送ったのだった。ううー、なんと充実した夜。
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