美しきミドル・マン(仲介者)
先ほど、オルランドの「キューバン・ショウダンス」の最初のレッスンを終えた。これはレッスン会場近くのインターネット・カフェーからのアップロードである。 なんで「キューバン」なんてわざわざつけてるのかって? 何が今さら「最初の」なのかって? はいはい、ちゃんと理由があるんですよー。 5月の「富田雅美ダンス・ユニット」の発表会に出たときに雅美さんから「今度調布に作った新しいスタジオに、オルランドに教えに来て欲しい。内容はサルサかなあ、ルンバかなあ、ショウダンスかなあ? あと、期間はずっとでもいいのかなあ、それとも集中クラスかねえ? センベイさん、よろしくね」と言われていた。 よろしくって言われてもねえ……。でも、お付き合いを始めた約10年前から、雅美さんには何を頼まれても嫌とは言わない僕は、なんだかんだ言って彼らの仲立ちを引き受けたのだった。 まずはオルランドに「子どもたちに何が教えたいか、教えられるか」を訊く。意外なほど彼は乗り気で、「まずはそのスタジオを見せろ」と言う。「どこでも行っちゃうオルランド」ならではの言葉である。 次にそれを雅美さんに伝え、その後オルリ、雅美さん、僕の3人の会談をセット。教えて欲しいこと、教えたいこと、それらがビミョーに絡み合って火花を散らし、緊張しながらも和気あいあいとした話し合いの末、「『東京サルサ・フェスティバル』を見据えた基本の動きをやる、5回連続のキューバン・ショウダンスのレッスン」と銘打ってやることになった。あーホッとした。ゼエゼエ。 そしてさっき、今日の12時、小学生の子どもたちを迎え1回目のレッスンが始まった。やっぱりと言うべきか、オルランドセンセはバリバリ基本的なことから入るんだよなあ。それが大切なんはわかるねんけど、子どもたちがだんだん飽きてきてるのが僕には手に取るようにわかる上に、僕は楽しいてどんどんノッてくるから、子どもらがほったらかしになるねんね(あ、この後者は僕の問題?)。徐々に動きが鈍くなってきたEちゃん(「タブー」で僕と一緒に踊った子)見てオルランド「恥ずかしい?」って、恥ずかしいんとちゃうって、no le da pena, sino está cansada. 通訳兼盛り上げ役でもあった僕は、一通りレッスンが終わったあと彼に「何か1曲踊って見せてよ。基礎の動きだけやったら、何やったんかわかれへんままになってまうやん?」と注文した。 普段から「元の踊り」を見慣れているキューバの子どもならいざ知らず、僕たち日本人は練習ばかりで1時間を終えると「あれはいったい何のためにやったんや?」ということになりかねず、疲れだけが残るかも知れない、と感じたのだ。 そうしたら、彼は少しチャチャチャを踊った。そして、レッスンを受けたWちゃんという子から「今日やった動きが、今やった踊りと関係あるんですか?」という質問が出た。よーしよし、実はそのとおりなんだよ、Wちゃん。 更に、来週へ向けての展開として雅美さんは「東京サルサ・フェスティバルで××のショウをやるのね。でも、イマイチ振付師の私が××の動きがよくわかってないの。それを教えてくれたらありがたいんだけど」と言い始めた(「××」の部分には音楽の種類が入りますが、発表前のため伏字です)。そうなると、急遽××のミニレッスンである。 そして来週は××をやる、というところまで漕ぎ着けた。よし、具体的に何をやるかっちゅうことまで見えてくると募集しやすい、人も来やすいぞ。 そんなこんなで、ソトロンゴセンセの初めての調布出張はとりあえず終わった。雅美さんも大変やなー、子どもたちも大変やなー、でもあの年頃からキューバの一流ダンサーに一流の動きを習えるなんて、願ってもない幸せやということはわかって欲しいし、今日来た子たちが、このレッスンを嫌いにならずにまた来週も来て欲しいと、切に願う。
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