43歳の赤ん坊
今日が入院中の最後のリハビリテイションとなった。 昨日までは全て「動くところがなまらないように動かす」リハビリだった。今日からは「動かさなかったところも動かす」という意味で大きな転換点だ。 「動く脚の方にね、片一方だけ松葉杖を持つんです。それで、松葉杖と悪い脚を同時に出して……、それから左脚を出すんです。……はい、まあそんな感じですね」「こ……こうですか? あれっ?」 僕はやっと歩き始めた赤ん坊のようだった。いや、赤ん坊ならそんな面倒くさいことをいちいち考えたりしない。リハビリ室で、片道7mほどの手すりの間を何往復かしたのちに、例の「30m」を3周する。1歩の距離が短いのでそれだけでもゼエゼエだ。 そののち、階段の上り下りもやって(基本的には両松葉杖と同じやり方だ)、更に場内をもう3周。初めてやったことなので、きょうはそれでもう十分だった。10日後の来院予約をして、松葉杖を1本返してリハビリ室を辞す。 右手は空いて楽になった。今まで「持ち物が多かったら車椅子」なんて言っていたのが解消される。でも、1歩の移動距離が一気に短くなったのは何とかして欲しい。重心の取り方が未だによくわからないのは言うまでもないし。ひと所へ行っていちどきにたくさんの仕事を終わらせる「ホームヘルパー状態」は、終わらないどころか、むしろ加速しそうな勢いなのだ。 その後、昼食前にギプス・カットを行う。今日はもう硬うなってるから問題なしやで。「糊が乾ききってない紙を切るのって難しいでしょ?」というK医師の説明はミョーにわかりやすかったが、それならばやはり「ギプスが柔らかい間に切る」ことは極力なしにしてもらえればと思う。ギプスを上下半分にして、再びはめて包帯で巻いてギプス・シャーレのでき上がり。病室に戻ったら、つい昨夜まで使っていた車椅子はいつの間にか片付けられていた。↓これがその形(撮影したのは退院して自宅に帰ったあとですが)。写真をクリックしてもっと大きなサイズで見ていただければ、ぐるぐる巻きの包帯や、踵についている黒いゴムがよくわかるかも知れない。作り笑顔がちょっと痛々しいよね。 さて、いよいよ明日30日(土)朝の退院も決まり、退院療養計画書や、1回目の外来診療の予約票などが交付され始めている。さあ、この文章アップロードするついでに労災の休業補償の申請書やら、生命保険の入院給付金の診断書やらの依頼出して来んとな。皆さんに長らくお楽しみいただきました「病院からのアップロード」シリーズ、本日をもちまして無事終了とさせていただきます。ご愛読、ひとまずありがとうございました。
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