クリスタルと3-2クラーベ--Billy Joel 鑑賞記②

 ステージの上では茶目っ気たっぷりのビリーだが、バック・バンドのメンバーも皆そうかと言うとそうでもない。かつてのドラマー、リバティー・デヴィートーがよくビリーとバカを言い合って、そのたびにスティックを投げたりしていたけれど。 今彼のバンドで一番ノリがいいクリスタル・タリーフェローは本当に「なんでも屋さん」だ。一応「パーカッショニスト」ということになっていて、あらゆる種類の打楽器を操るのだが、何とサックスも吹きます。そして、エネルギッシュな高音のコーラスもやります。例えば "We Didn't Start the Fire" の最後で "We didn't start the fi-i-i-i-re...." と盛り上げていくのは彼女にしか演れないな、と思う。 僕自身が打楽器をやるからかも知れないが、彼女や、あと上松美香さんと一緒に演っている山下由紀子さんのように、「何でもかんでも次々と、しかも的確にこなしてしまう人」には本当に憧れます。 実は彼の曲にもずっとラテン風の3-2のクラーベが響いているナンバーがある。 "Don't Ask Me Why" がそれだ。 "All the waiters in your Grand Café" という歌詞で始まるこの曲、アルバム "Glass Houses" 収録のテイクはアクースティック・ギターのイントロから始まるのだが、ライヴでは必ず3-2のクラーベから入って "Uno, dos, ¡uno, dos, tres, cuatro!" というスペイン語のカウントから始まるのが普通だ(余談だが、 "Un, deux, trois, quatre" とフランス語のカウントがかかれば "My Life")。 僕が長い年数彼のファンをやっている話は昨日書いたが、長いことファンをやっていれば当然僕も成長する。 成長その1。3-2をずっと手拍子で叩きながら歌える。 ラテンの曲なら2-3か3-2は底にずっと流れているので、言ってみれば心臓の鼓動のようなものなのだ。だから、ほとんど意識せずに手で打ちながら歌えるということに今更ながら驚いた。と言うよりは、こういう曲は音符のはめ方がクラーベのリズムに従っているのだ。そして、間奏のところの手拍子乱れ打ちも合わせて、またクラーベに戻って来るなんてのもお手のもの。 成長その2。フランス語をちょっとかじった。 このアルバムが発売されたとき僕は高校生。外国語と言えば英語しか知らない頃だ。この後、大学でフランス語を少し勉強して、この曲の最後の "Now you, 'parlez-vous français?'" (ところで君、フランス語は話す?)という歌詞の発音や文法的な構造くらいはわかるようになったのだ。 東京ドームの25番ゲートの外に立つ僕。何か立ち方おかしいよね。アキレス腱でも切ったんちゃうけ? さて、次回③では、これ以外の注目曲と、それを通じて表したい彼への思いについて書きます。

千兵衛の "「居場所カレー屋」まで、HALF A MILE AWAY"

「昼ごはん時はカレー屋さん、午後は若い子たちの居場所にして、晩ごはんの時間にはまたカレー屋に戻る……」そんなお店を将来やることだけは決めた。ただ、カレーを作るのと人と話すのは好きやし今までやり倒してきたけど、店を経営したことがあるわけじゃなし、皆さん、知恵と力を貸して下さーい!というサイト。踊ったり遊んだり、毎日の生活満載の Instagram, Facebook やブログのリンクも貼っています!

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