負けるな、ころんぶす
横浜市は磯子区に、「滝頭市場」と「浜マーケット」という2つの老舗の市場がある。2つとも、僕が15年ほど前、そこいら辺で車を運転する仕事をしていた頃に、よく前を通った。前者は美空ひばりさんが育ったあたりとしても有名だ。 ところが、先月の27日未明、古くから付近の住民に愛され続けたこの2つの商店街が、相次いで不審火を出した。特に「浜マーケット」には、僕も普段からいろいろお世話になっている「NPO法人コロンブス・アカデミー」が「どんかふぇ」という丼物の店を今年1月に出したばかりで、この法人に連なる若い子たちがみんなで、このマーケット全体の発展をも買って出たところだった。 当日夕方のFM横浜のニュースで事件を知った僕は、翌朝法人の事務所に電話をかけてみた。土曜日にも拘わらず、僕もよく知っているMさんが出て、こぼす。「そうなんですよー、『どんかふぇ』も燃えちゃいました。昨日はSくん(やはり僕の古い付き合いのエエ男)なんか、ずっと後片づけやっててね。 あそこで作ってた、若い子たちの働く機会がしばらくなくなっちゃうわけでしょ? だから、根岸や港南台の私たちが持ってるお好み焼屋、ゴールデン・ウィーク休みとか定休日とかなくしちゃってお店開けるとか、いろいろ大変なんですよ。だから、片付けも手伝っていただきたいですけど、食べにも来て欲しいです」 ……というわけで、30日の根岸行きとなったのである。「お好みを食べることが支援になる」なんて……とプチ微笑みながら、まずは「お好み焼ころんぶす」根岸駅前店で豚玉を食し、(最近店が新しくなって、外のテラス席なんかもできていた)些少ながらお見舞い金を置いていき、根岸駅から市バスで浜マーケットへ向かう。 これは浜マーケットのブログ・サイトから拝借した写真だ。中央でヘルメットをかぶっているのが中田宏・横浜市長、後ろに写っているのが件の「どんかふぇ」。 およそ40ある区画の南半分、17店が被害に遭ったらしい。無惨に焼け落ちた建物や、燃えて使いものになりそうにないのに放ったままの自動車が、火事以降の混乱から未だ落ち着いていないことを物語る。でも、北側の営業可能な何か所かは、何とか店を開いていた。 数日後、職場にSちゃんから見舞金のお礼の電話があった。「いやー、全然休めなくなっちゃいましたよー」と、少しテンパり気味の口調で話していた彼が、少し心配だ。 この2件の火事が、言われているように本当に連続放火だとしたら……犯人には「火を点けざるを得なかった理由」はあるのだろう、それはとりあえずわかる。ただそれにしたって、こんなにたくさんの人たちの生活を奪っていい理由には、どうしたってなりはしないことをソイツは知るべきだ。 今月の16日に、「カフェ・ドゥ・そーじゃん」のプログラムで「ころんぶす」の港南台店を訪れることに実は、なっていた。この日を目標に、みんなで募金を集めようと思う。
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