一生ものの友だち、一生もののダンス
メキシコの独立の年は1810年とされているので、今年がそれから199周年である。Asoc. de Mexicanos en Japón (在日メキシコ人協会)主催の独立記念日記念パーティーが、東京・新宿の Impacto Latino で開かれた(9/12。今僕のデジタルカメラが壊れているので、写真がなくてすみません)。 僕がその場所に着いてしばらくすると、NPO法人インパクト・ラティーノの会長や、在日メキシコ大使らが前に立ち並ぶ。そして主催団体のメンバーとおぼしき数人が、恭しく行進しながら緑・白・赤の3色に彩られた国旗をAMJの会長に手渡すと、この人たちの興奮が1年間のうちでおそらく最高潮に達する、例の儀式が始まる。独立戦争の英雄たちの名前が次々に登場し、それぞれに対し ¡Viva! (~よ永遠なれ!)と皆が唱和する。最後に ¡Viva México! と2度叫んだあと、国歌の斉唱が続く。 1810年の9月15日の夜に、ミゲル・イダルゴ神父が、教会のバルコニーで独立へ向けての決起を呼びかけたという故事に倣い、毎年この同じ日に、独立記念日を祝う "el Grito (叫び)" が行われるのは、メキシコ国内のいったい何千か所、いや何万か所なのだろう。その中でも一番大きなものは首都の中央広場で行われ、そこで国旗を振るのはもちろん el señor Presidente Felipe Calderón (フェリーペ・カルデロン大統領)である。 パーティーはダンス・パフォーマンスやDJタイムなどを散りばめながら続く。参加者を巧みに乗せるバンド Son Sabrosón は、キューバ人ペドロ・バジェをフロントに据え、あとMex×1,Jpn×2の編成だ。よく見る感じのメキシカン・ダンスが素晴らしかったのもさることながら、2本の剣を使った、中西部ナヤリー州の力強い踊り(男性ソロ)は、キューバのヨルバーを彷彿とさせる部分もあって、思わず目を見張った。 実は、この日ご一緒願ったのは、久しぶりに会うサルサ界の旧友Rちゃんだった。市川奈美さんのクラスで一緒だった彼女とは、僕と同郷(大阪の北の方)だったこともあり、昔は結構一緒に遊んだ。やがて彼女は海外に住むことになり全く会えなくなる。数年前に帰日していてはいたが、つい先日連絡が取れて、この日の再会となった。 最後に会ったのは大阪帝国ホテルの「パタパタ・デ・ラ・サルサ」に踊りに行ったときだから、約15年ぶりだ。新宿で待ち合わせる約束はしたとは言え、彼女にはちょっと失礼だが、何年も経ってるから、例えばすっごいブタブタになっててわかれへんかったらどないしょーと、僕は実は本気で気にしていたのである。 ところが……西口交番へ歩み寄ってちょっと探すとさに非ず、そこには前とほとんど変わらないRちゃんの姿があったのでした。 彼女は今はほとんど踊っていないと言うが、彼女の住む地域には、実はサルサ・クラスが豊富なスタジオがあるという情報を予め得ておいたのだ。仕事が忙しそうな彼女ではあるが、うまく時間を創り出してくれればと切に思う。だって、ダンスて一生もんやねんもん。
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