デジアナ、復活。
30年ほど前、僕が高校生くらいの頃だったろうか。シチズン時計がまず最初に発売したのが、デジタルの文字盤の隣に昔ながらの形の時計もくっついている、その名も「デジアナ」。それに引き続き、同社は今度は逆の、長針・短針の時計の下に横長のデジタルの文字を置いた「アナデジ」を登場させた。当時、岩倉少年はこの最先端の「アナデジ」を左手首に巻いていた。 左、デジアナ。右が、アナデジ。 時は流れて2011年、そのデジだアナだと言っていた1980年代に使っていたテレビを、原則として一切使うことができなくなるときがやって来ることになった。その年の7月24日を過ぎれば、テレビの受像機からはあやまんJapanも、宇賀なつみさんの天気予報も、たのしいなかまのぽぽぽぽーんも、一切何も流れてこなくなるのだ。 「モノをたくさん持つのが嫌い」なウチの友子さんは、その上「7月24日になったら、どっこのチャンネルも観られなくなって、全部砂嵐っていうのを1回体験しようよー」と、どこまで本気かわからない一言を言い放って、本当にそうしそうな勢いだ。まあ、確かに、早よ地デジの契約したら、それだけ視聴料も早よ発生しますからね、7月24日の前後にえらいな天変地異でもない限り、その方がいいんでしょうけど……(予想できないのが天変地異。また、ホンマにとんでもない災害の時は、テレビなんか役に立たんで、重宝するのはラジオです)。 3月の「あの日」以前は、各局ともしきりに、画面の上下の黒い帯状の部分に、7月までに早よ準備せえやの、ここに問い合わせてあんじょうやってもらえやの、いちいちうるさかった。「その日」以降、おそらく被災地の方々に対する配慮だろう、あの宣伝はパタリと止んだ。 しかし、「その日」からふた月以上経ち、NHKの衛星放送ではその「早よしなはれメッセージ」が復活したのに、他の局ではほとんど状況は変わらず、代わりに右隅に出てきたのは「デジアナ変換」の6つの文字だけ。ん? デジアナ? どこかで聞いたことあるぞ? 僕は急いで、ケーブルテレビ局「ジュピターテレコム(J:COM)」のサイトを開いてみた。すると……
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