¡Ven a cantar!

 僕がメキシコに留学してちょうど20年の今年に、イギリスにいらっしゃるあゆさんとネットを通じてお知り合いになれたのも、何かの巡り合わせだろうか。彼女のブログには今ちょうど、彼の地で経験している「冬の姿」が語られている。そこで僕もついつい、メキシコにいた頃に「へえ~」「ふ~ん」と思ったことの数々を思い出してしまう。 メキシコには当然日本とは違う、「メキシコの9月」や「メキシコの11月」などがあった(「10月」が跳んでいるのは、9月には独立記念日、11月には「死者の日」や革命記念日といった、あの国に特徴的な行事があるからだ)。そして、一番思い出深かった時期の1つが、クリスマス (Navidad) と、その前ひと月・後半月ぐらいの期間だ。 なお、これはあくまでも20年前、1986年のメキシコの話で、今現在とは違うこともあるかも知れないことはお断りしておきます。 12月になると、街中が華やかな雰囲気になり始める。家々に、店頭に arbolitos (クリスマス・ツリー)が飾られる。僕の通っていた UNAM (Universidad Nacional Autónoma de México, メキシコ国立自治大学)の Rectoría (総長事務局ビル)の前の大きな木も、クリスマス期間中だけ arbolote に変身だ。民放テレビ局 Televisa では、メキシコの有名歌手十数人が一堂に会して歌うその年限定のクリスマス・ソング "Ven a cantar" (「さあ、歌いに来て」)がひっきりなしに流れていた。 もちろん憲法上は「政教分離」の国なんだけど、国民の大部分がカトリック信者のこの国では当然「クリスマスはクリスマスとして」祝われる。東洋のどこかの国のように、いつの間にか「恋人同士のロマンティックな1日」という意味だけが一人歩きすることはない。あくまでも家族や友だちと祝う方が中心のようだった。 そして、クリスマス直前の別れの挨拶は必ず "Feliz Navidad" である。この1986年の末、僕は初めて "Feliz Navidad", "Merry Christmas" を日本語にすると、「クリスマスおめでとう」だけではなく「よいクリスマスを」でもあるのだということを実感をもって知ったのだった。 クリスマスは北部のソノーラ州カナネアという町を旅行中に迎えた。メキシコ革命史の中でも重要な1906年の銅山労働者のストが行われた町だ。 教会のミサは、聖歌隊が厳かに歌うという、僕がいつも日本で経験していたプロテスタントの礼拝とは趣を異にするものだった。 やがて僕はその町を離れ、メキシコ北西部の各都市をバスでつないでメキシコ市へ戻っていくのだが、基本的にどこも(家も、店も)クリスマスの飾り付けを片付けようとしないし、 "Ven a cantar" は流され続けている。クリスマスは終わったのに、なぜ? 実は、この国では、クリスマスのデコレイションと正月のそれは共通だったのだ。だからツリーも出しっぱ。 そして、さっきも書いたようにここはカトリックの国、サンタ・クロースは基本的にいない。それでもやはり「プレゼントをみんなに買ってもらおう」と思う人たちのおかげなのかも知れないが、ちゃんとこの国独特の「プレゼント日」があるのだ。クリスマスが終わってもその日まで、スーパーマーケットの駐車場の一部を潰して作った特設プレゼント売場はそのまんま。 さて、「その日」とはいつでしょう? キリスト誕生の物語を多少なりとも知ってる人やったら当てていただけると思います。もしわかった方がいらっしゃったら、右上の "Mail" へ。正解の発表は「その日」に、ね。 またお正月近くなったら「メヒコの正月の思い出」書きまーす。

千兵衛の "「居場所カレー屋」まで、HALF A MILE AWAY"

「昼ごはん時はカレー屋さん、午後は若い子たちの居場所にして、晩ごはんの時間にはまたカレー屋に戻る……」そんなお店を将来やることだけは決めた。ただ、カレーを作るのと人と話すのは好きやし今までやり倒してきたけど、店を経営したことがあるわけじゃなし、皆さん、知恵と力を貸して下さーい!というサイト。踊ったり遊んだり、毎日の生活満載の Instagram, Facebook やブログのリンクも貼っています!

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