僕の「心の鍵を持っている」メレンゲーロ
ドミニカ共和国の、そしてラテンアメリカ全土をも代表する大スター、フアン・ルイス・ゲーラの新しいアルバム、 "La llave de mi corazón" が届いた。 タイトル曲 "La llave de mi corazon" は何とチャチャチャ、これが秀逸。少しラップっぽい謡いのあとに響く "Pues, tieeene la llave de mi corazoon." という叫びのような短いサビが、見事に耳に残るのだ。これまで「本職」のメレンゲ、バチャータをはじめ、母国のフォルクロリックな曲やサルサにも万遍なく挑戦してきた彼の、まさに面目躍如という感じだ。 1曲目からそのタイトル曲の英語版 "Medicine for My Soul" で一瞬驚かせたあとすぐに、彼らしいコーラスを効かせたメレンゲ "La travesía" で続き、またそのあとクールなサルサ "Te contarán" を聴かせ、更にバチャータ "Que me des tu cariño" で穏やかに引き取るという流れが心憎い。 この雰囲気の展開、一回聴いたことがあるぞ……と思って記憶をたどってみると、15年ほど前のアルバム "Areíto" の心地よい始まり方と似ているのである。どんな分野の音楽でも一通りできるから、どんな組み合わせでもお任せ下さいと言わんばかりの構成だ。 そしてこのLPは、8曲目 "Amores" (メレンゲ)と9曲目 "Cancioncita de amor" (サルサ)と、同じ曲のアレンジ違いを連続で入れ、11曲目にタイトル曲のスペイン語版、ボーナス曲含め2つの静かめのナンバー……と余韻を残して終わる。ほんっとに耳触りのよい曲で満ち溢れていて、このCDの発売を待ちに待っていた、十年来の彼のファンである僕を、十分に満足させる内容だった。 僕にとっては「来日していない最後のスーパースター」、 Juan Luis Guerra 。今でも日本に来れば、ラティーノス+コアなラテン音楽の日本人愛好者で会場を満杯にできて、ぜーーったいに興行を大成功に導けることを、日本のプロモーターたちは知るべきやと思うけどな。
0コメント