Recorrido de los jalapeños (5)--1日行きあたりばったり
そう、そういうときこそ、ガイドブックです。僕は電車の中で、彼らのうちの1人から本を借りて調べ始めた。日本人の僕が、日本のこと書いたスペイン語のガイド読むなんてホンマ変な話ですけど、とにかくそれで皇居を調べる! ……なになに? 大手町の駅の先に大手門っちゅうのがあって、そこから「皇居東公園とやら(スペイン語からの直訳)」に入れるのね? 中には博物館もある、と? 乗り換えも1回で済むし、これや! 日本橋で東西線に乗り大手町へ、そして一番端のりそな銀行の前の出口を上がると、すぐそこに皇居が見えます、よしよし。ちょうど皇居側からは外国人観光客とおぼしき人たちが大量に出てきたので、大手門がどこなのかはわかりやすい。門を入るとそこは「皇居東御苑」の入口で(さすがに「御苑」ちゅよーな、めっちゃ日本語的な単語はスペイン語に訳せませんわなあ)、ガイドブックには入場終了まであと30分みたいなこと書いてあったけど、それは真冬の話で、夏である今はもう1時間余裕がありました。 皇居、明治神宮、新宿御苑、そういった公園たちの存在が「東京と大阪の都心の緑の量の差」を決めていると感じてはいたけれど、うーん、すごい。この街のど真ん中にしてこの豊かな植生。彼らはと言えば、もちろんそういうことに注目はするけれど、石垣の石を触りながら「こーんな石、クレーンも何もない時代にどないやって運んできよってんやろなー」の方が興味があった人は多かったみたいね。 「東御苑」の北側の出口から出た僕らは、さて、今日の最終プログラムに移ることにした。「どこに行きたい?」「日本の伝統的な音楽が聴けるとこかなあ」「うーん、ええけど、そういうのって、退屈やで。まして、そんなん聴きながらお酒飲めるとことか、ないし」「日本料理はどないやろ?」「どないしょうかなー。普通ちょっと高いぞ。量も少ないし」「ほな、イザカーヤかなあ。イザカーヤやったら、安いやん。靴脱いで上がって、畳の部屋でサーケ飲むんは、どう?」「よっしゃ、居酒屋で手ぇ打と。ここはどこやねん……竹橋かあ……このすぐ近くにはあんまりそんなんないけど、ちょっと地下鉄で移動したらどこぞあるやろ。とりあえず駅まで行って、路線図見て考えよ」(何度も書きますが、「メヒコのスペイン語は大阪弁」という僕の説に基づき、彼らのスペイン語は大阪弁に訳してあります) 最初っから行きあたりばったりだったこの1日、最後の行き先から入る店まで同じノリで決めた僕らだったのである。この日の última parte の詳細は、次回以降に。
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