Recorr. de los jalap. (6 y último)--初居酒屋
竹橋の駅に駆け込んで路線図を眺めた僕の目に入ったのは、そこから2駅の……学生の街、飯田橋。ここまで行けば絶対安い飲み屋はたんとあるし、成田へ帰るにも総武線が使える。ラウラ、あんたはホンマに鉄道オタクの友だち持ってよかったなあ。 ホンマは僕の好きな神楽坂に出よ思たけど、地図見間違うて1本東側に出てしもた。でも、ちょうどいいところに「坐・和民」があり、畳の席はなかったけど靴を脱いで入る席はあり、そこに落ち着くことになる。13人が2つのテーブル、それぞれに日本人と日本の conocedora (ラウラのことですね)が1人ずつついた。でも、普通の飲み屋なのでメニューは全て写真つきでわかりやすい(とは言えいちいち説明は要るが)。 振替休日の夕方まだ早い時間、最初混んではいなかった店内にも徐々に客が入ってくる。「ご新規6人様ご来店でーす!!」「いらっしゃいませー!!」てな僕ら日本人にとってはフツーのかけ声も、意味のわからん者たちにとっては asustado (どっきりさせる)以外の何ものでもないらしく、そのたんびにびっくりしつつ「あれ、何て言うてんねん?」「ああ、すんません、僕ちゃんと金払うて帰りますから」とみんな口々に言っていた。 Queso de soya (味噌), fideo de estilo japonés (そば), pizza de tipo japonés (お好み焼)など、僕はスペイン語でそれなりの説明をつけたけど、みんなはわかってくれたやろか。ひょっとしたら彼らにとって初めてだったかも知れない「日本庶民料理」を彼らは十分楽しんだかなあ。 前の晩のミロンガの打ち上げでも三軒茶屋の「坐・和民」に入ったので、このチェイン店では割り箸を使わないことを僕は知っていたが(実は apenas 7月1日から全店でそないしたらしいね)、彼らのうち何人かはこの箸を持って帰りたがったので、僕が通訳して頼んだら、快く応じて下さった。ゴミを減らすための割り箸不使用が、国際交流にも役に立つとは、まさかワタナベさんも思ってなかったでしょう。 かくして、11人はちょっぴり不思議な夏の夜の居酒屋初体験(2人はもう知ってるわけやからね)を終え、飯田橋の駅へ戻る。彼女たち/彼らが予想どおり「電車で簡単に成田へ行ける方法はないのか?」と問うので、予定どおり錦糸町乗り換え、総武線経由のルートを説明して、切符を買ってもらって、そして総武緩行線のプラットフォームで東と西に別れる。電車が滑り込んできて、ひとりひとりハグするけど湿っぽさはないという、何ともラテン的な別れだった。 最初は2時間で終わるはずだったホリデイ。なーんかみょーな気持ちのまんま過ぎていった、夢のような10時間。でも、これやからラテン世界はやめられないのだ。
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