3駅先のペルー
今年8月15日にペルー南部を襲った地震の被害者に募金をしようと、在日ペルー人社会が立ち上がった。その方法は、ペルー人のアーティストたちを集めてのチャリティー・コンサート、しかも場所は僕の住む、神奈川県大和市の「大和市生涯学習センターホール」。小田急線で僅か3駅先のところでやるこの夢のような催しに、行かないわけにはいかない。その名も "Ayúdanos a Ayudar", 「私たちが手伝うのを手伝って下さい」という意味(9/23・日)。 災害の被害者を助けようというライヴを「夢」というのは少し問題かも知れない。でも、僕ら日本人の間でも有名な Los Kalibres, Conquistando, Combo Creación らのバンドはもとより、フォルクローレの踊りや演奏は観られるし、ペルーの料理も食べられるし……という、何ともおいしいイヴェントを、素直に楽しまないわけにはいかない。それよりも何よりも、被災者のための催しを、こんなに面白くやってしまおうという発想が好きだ。 定員600人のホールが、ほとんど満員になった。そして、僕の予想どおり、その9割がペルー人。ステージ上のMCは総てスペイン語、日本語通訳なんかいるわけがない。このグループは「フクナガ・カントゥス」、クンビアばかりやっていたが(「が」という逆接の接続助詞をあえて入れさせてもらう)、女の子たちにやたらとウケていた。中央でボンゴを叩いているのが、コンボ・クレアシオンのベテラン、パブロ・ルーキー・カスティージョ。 コンキスタンドのレヴェルは一級品だった。ピアニスタがしっかり全体の指揮を執っていたし、 metales (ラッパ)は4人とも日本人で、その中にもリーダーがしっかりいて、ノリがよい上に統率がしっかり執れていた。 いや、それもさることながら、ラテンのバンドの中枢はやっぱし、コンガ! トゥンバドーラスに合わさんと、何ごとも始まらん。イカツイ黒人のボンゴのおにーさんが、日本人のコンゲーラをずーっと見ながら、合わせながら叩いてたのには感服した。何が大切かをしっかりわかってはるから、ノリが生まれるのである。 1,000円で買った抽選券で1等の沖縄旅行は当たりませんでしたが、自宅から僅か30分足らずしか離れていない場所で、僕はしっかりペルーに染まったのでした。 それにしても、亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、 los damnificados (被災者の皆さん)に、少しでも早く元のような生活が戻ることを願う。
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