余裕かましリハ
本番前、自分たち以外の他のペアやチームのリハーサルが、妙にテキトーにやっているように見えることがある。「えー? こんなにえー加減な演目で舞台に出るのん?」なんて思って観ていると、さに非ず! 本番では、リハとは別人のようなグルーヴでキメて観客の大喝采を浴びるのだ。 そう、リハでは余裕かまして、本番に最高潮を持ってくる。或いは、リハーサルでは、自分の「ベスト」を敢えて見せずに取っておくと言ってもいいかも知れない。おお、これこそが真の舞台ダンサーや!てな場面を僕は何度も目にしている。 自分でこれをやったことはあまりなくて、本番では100%出し切るのは言うまでもないが、いつもリハも100パー必死で、ゼエゼエ言いながら「あっ、ありがとうございましたー、ほんばんっ、よろしくお願いしますぅ」なんて言っていることが多い。 でも、先日9月7日(日)の「エビサル」では、久しぶりにこの↑「余裕リハ」ができた気がする。 14時のパーティー開始の1時間半前に会場着。主催者のアヤキタは「13時頃には着くよ」と言っていたが、事前に一踊りしておきたいと思った僕は、その時刻にもう行っていたのだ。でも、「その日のパフォーマー」である前に「スタジオのスタッフ」である僕は、そのとき鏡を一所懸命拭いていたスタジオ主のジョルジュ師匠の求めに応じ、床に掃除機をかけることから始めたのだった。 アヤキタ自身のお手伝いのサルセーラス/サルセーロスたちと一緒に椅子並べなどをしていたら、いつの間にやら開場30分前。競演のFumi & Gon(アダジオ商会仲間のフミちゃんのペア)に続いてリハしてたら、もうレッスン目当ての参加者が入って来とる。この方々に「本気の踊り」をここでお見せしたくないというのも「必死でないリハ」の理由の1つなんですねー。いくつかの大切な部分は真剣にやりつつ1回通して、やがてパーティー開始。 とある有名スタジオの発表会と重なってしまったのでお客さんの入りを心配したが、なかなかどうして。タンゲーラのりっちゃん、ふた月前に横浜で感動の再会を果たしたタンゲーロ/サルセーロのSさんなど、「あなたを観に来た」という人が何人かいては、気持ちも盛り上がるというものだ。 15:30のタンゴ・レッスンに引き続きいよいよ本番だ。フミちゃんのペアは、さすがに振りの中に、僕らがよくやったアダジオの技をしっかり入れている。 彼女らに続き僕らが登場。4回目にして最後の披露、そう思うと気持ちはこもりまくり、曲には乗りまくり、もちろんアダジオも決まりまくりである。普通、真っ正面にいるお客さんに「どや、俺を観ろ!」てな視線を送ることはあるが、今回は先述のSさんが上手(かみて)側の真横でこちらを観ていたので、ちょうどそちらを見つつ顔を切る振りのところが妙に決まってしまった。ラストのアダジオ、「電信柱」から「スネイク」は、うーん、ここまでこなれてくると時間が余りすぎてしまったということなのか、逆にそのあとのセンターダとキメが少しぎこちなくなってしまいました。 17:00にパーティーを終えるとソッコー後片付け。とは言え、ふたの開いた缶やコップに余ったお酒を「ほかしたらもったいないやんけー」と叫びながら全部飲み干してた僕が掃除機かけるのは、さぞやうるさかったと思います。そして向かった先は、東京は荻窪のハコ "Bunga" 。Machakoさん主催のこのPFつきパーティーを「打ち上げ代わりにしよう」とアヤキタに誘われたが故の移動やったんですが、何やしら、ホンマにこの日はようけ踊ったなあ。
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