「瞳」と僕のダンス生活

 つい先日終わった、今年度上半期のNHK朝の連続テレビ小説「瞳」の何が一番僕をワクワクさせたか、それは何よりも「踊り」だった。 主人公・瞳(榮倉奈々)がダンス学校に入り、由香(田野アサミ)と純子(満島ひかり)の2人のイケてるダンサーと出会うのだが、2人とも気難しく、なかなか心を開こうとしない。だから、最初の「プロモーション・ビデオのオーディション」の場面では瞳は純子と2人での出場、由香に至ってはソロだ。このあと、やがて3人は「ローズマリー」というユニットを結成、「夏コン」で優勝し、続く全国大会「ダンスビート」の関東予選でも踊る。 これらの「本番」の前には、彼女たちも僕らと同じように、相当あーでもないこーでもないと悩みまくりつつ練習し続けていたはずだ。それぞれの回でいくつのテイクを撮ったかは知らないが、うまくいったら、たぶん「やったよ、きゃー!」と素で言って抱き合っただろうと思うのだ、3人が、そしてマネジャー的な役回りだった萌(鈴木聖奈)も。そんなことを思い起こすと、本当にこれらの場面は他人事のような気がしなかった。 その、踊りでは基本的には横っちょに置いとかれたような感じだった萌も、「まゆげねこ」ダンスではちゃんと3人と一緒にキメている。 父親と喧嘩して、家を出た挙げ句純子の住むアパートへ転がり込む由香は、とりあえず何でもいいからお金を稼がなくてはならない。そこへ萌がアルバイト雑誌を読んで見つけたのが「とりあえず1日だけ××円、仕事はダンス・ショウ、4人募集」という記事だった。「4人って書いてあるけど、あと1人は誰?」不安そうに訊く純子だか由香だかに、萌はそんなことわかりきってるでしょ、とでも言いたげに「わたしー。だって、私だってダイエット・クラスの生徒だもん」。 翌日、指定された事務所を訪れた4人はその汚さに愕然とする。その仕事はなんと、「まゆげねこ」というぬいぐるみを着て遊園地の子どもたちの前で踊るもので、彼女たちが想像していたのとは似ても似つかぬものだったのだ。「私、帰るっ!」機嫌を損ねる由香に、「まあまあ、せっかく来たんだからさ、やってみようよ。振付なんて、私たちで適当に変えちゃわない?」となだめる瞳。 結局、出番前の待ち時間を利用して彼女たちは、自分たちの得意なヒップホップ風に振りをすっかり作り替えてしまった。新しい「まゆげねこ」の誕生である。 これですよ、これ。これに近いことも、僕はやったことあるんだよねー。「既に作られていた振りを変えた」てな話ではないけれど、2002年の富田雅美さんのダンス・ユニットの発表会、友子と2人で、1曲の中で飛び込みで、事前練習なし・当日のみの文字通りの「客演」で出させてもらったとき。 「マンボの衣装で」と頼まれていたので、マンボ風の振りを何小節か分考えて行ったけれど、「うーん、それよりも、ペア・ダンスしながら下手(しもて)から出て来てさあ、何小節か踊って上手(かみて)にハケて欲しいんだ」と雅美さんから注文が出て、準備運動もそこそこに、その短い振りを僕たちはソッコー作ったのだった。そのとき撮っていただいた素敵な舞台写真は、今でも僕たちの部屋を飾っている。 実際には、「まゆげねこ」の振りはQ-TAROさん(電撃チョモランマ隊;瞳が通うダンス学校の事務員風であり、ダンス大会になるとMCを演るという謎の役柄)が作った。ヒップホップの基本的なステップが一通り入っているので、面白そうだがそのまんまコピーするのは僕には難しい、実は水準が高い振りなのだ。できればこの踊りを、僕の勤め先の忘年会か何かでやりたいと僕は画策していて、僕の事業所の利用者の中でも随一のダンサー・SとHを一所懸命誘っているのだが、さて、どうなることやら。 さて、「まゆげねこ」なしでは「瞳」は語れないほど、この踊りにはいろんなパターンがあった。そのパターンの詳細解説や、それぞれへの思いは、また次回以降。

千兵衛の "「居場所カレー屋」まで、HALF A MILE AWAY"

「昼ごはん時はカレー屋さん、午後は若い子たちの居場所にして、晩ごはんの時間にはまたカレー屋に戻る……」そんなお店を将来やることだけは決めた。ただ、カレーを作るのと人と話すのは好きやし今までやり倒してきたけど、店を経営したことがあるわけじゃなし、皆さん、知恵と力を貸して下さーい!というサイト。踊ったり遊んだり、毎日の生活満載の Instagram, Facebook やブログのリンクも貼っています!

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