皆さんも今日はキャストです、いろいろな意味で--TDL出演(3)
こちらも半月以上間が空いてしもたんで、前回までのあらすじ……TDL出演を間もなく果たそうとする友子と僕のペア。その朝、オリエンタルランドの本社正門に集合し、リハーサル・スタジオで僕が見たものは……。 いやー、TDRに何回来て観ても思うけど、すっごいショウやなー。あれだけの演目、一体どこでリハしてんのやろ。ディズニー・シーやディズニーランドの定休日……なんてあるわけないしなあ。ほな、パフォーマンスとパフォーマンスの合間にちょこっとやってんのか? いや、だいたいあそこって外から見えたり聞こえたりする劇場が多いから無理やし、たとえ屋内のハコやとしても、その時間は舞台のセット換えに使っていると考えるのが自然でしょ。ほな、いったいいつ?……という、僕がずっと持っていた疑問が、今回この催しに参加してみて解けた、かも知れない。 僕たちが通された鏡張りのスタジオの床には、舞台に近い感じで、壁や幕や看板の位置にテープでバミリがしてある。そして、トーシローの1回限りの舞台であるにも拘わらず、あちらの職員さんが4人も5人もついて下さって、やれここには壁があるから気をつけろやの、「応募ビデオを拝見して、お2人の演目にはリフトがあるようにお見受けしましたけど、舞台奥にこれくらいの高さで看板がぶら下がっていますので、ぶつからないように気をつけて下さいね」やの、おっそろしいほど事細かに説明して下さる。そこに、何回も言うけど、「皆さんも今日はキャストの一員」という、ある意味ただならぬ気合いを感じた。 おそらく、あの夥しい量の演目を踊るおっそろしい数のダンサーさんたちも、この形で練習しているのだろう。舞台とピッタリ同じ寸法のバミリを施したスタジオで、本番さながらの想定で、踊る。それだけであの舞台を成功させてしまうようなセンスがないと、到底TDRでのプロとしてのショウはできないということなのかも知れない。 さて、「ただならぬ気合い」を感じつつも、「両面鏡張り」のスタジオというのはあまり経験がなかった上に、そもそもこの振りは結構ぐるぐる回る部分が多いこともあって、このリハでは僕はしっかり正面を失ってしまいました、あ~……。でも、この段階で間違うとくと、逆に本番へ向けてどこをどない注意したらええかわかりますね。このあと、リハーサル・スタジオの隅っこや、バスで連れて行ってもらった会場「ラッキーナゲット・ステージ」の裏手など、あらゆる場所で僕たちは、振りの中で正面を失いそうな部分を繰り返し練習した。 現場に着いた。客席のざわつきはわかる、でも幕はまだ硬く閉じられている。件の看板や障害物の位置は確認できた。しかし、「キャスト」が幕の間からチラッと顔を出して客席方向を見る(つまり、お客さんに顔を見られる)ということはあり得ないディズニー・リゾート。ステージ全体の大きさや、客席の規模が結局、曲が始まって舞台に出るまでわからないのである。そんな初めてのシチュエイションの中、1組目、「めぐ&にしき」のお2人の歌が終わり、いよいよ僕たちのペア名が司会から告げられた。クリマックスの "Cuba" が流れ、僕は友子をリフトしてから、チャチャチャのリズムでステージへ進み出る。(もう1回だけ続く) これは、もうすっかり出演も何もかも終わってから、フツーの客になってぐるっと回って自分たちが踊った場所に戻って来て撮った写真です。「イッツ・ショータイム! 11:10」と書いてありますよね。
0コメント