ダンス界にいるだけではわからないこと-TDL出演(5 y último)
僕らがTDLのショウに出た日は、前にも書いたように3月だとは信じられないような寒い雨の日だったので、お客さんの出足もそこそこだろうなと踏んでいた。僕らが自宅近くの中央林間駅から電車に乗ったのは朝6時。 ところが、次の停車駅の長津田から、同じ車両にどやどやと乗り込んできた中学生くらいの女の子4人組は、明らかに僕たちと同じ場所に行きますよ、という服装だった。全員が大きな白い手袋に、赤地に白の水玉模様のリュック。あれでもし朝の早よから浅草見物に行くなんて言うたら、たぶん仲見世のお店のおばちゃんにしばき倒されるやろという出で立ちである。 なるほど、そういうことか。この季節、この年頃の子たちは、友だち同士で「この日に行こう」と決めたら、雨が降ろうが誰かが離党しようが行ってしまうし、実際そういう若い子たちに東京ディズニー・リゾートは支えられているのだろう。今の時期は「キャンパス・デー・パスポート」で学生は皆安うで入れるしなあ。 こんな感じの若い人たちは、TDLの中で何度も見た。雨が降っているのに、みんな合羽を着て、屋根もついていないアトラクション(例えば、宇宙船型の乗り物に乗って空を旋回する「スタージェット」)を楽しんでいるのである。傘を差しながらも、入りたいアトラクション目指して並ぶことも厭わんし。大したもんだ。 そして、今回本当にお世話になったディズニー好きのブロガーの方々が、ははだよさんとKoZさんだ。お二人共、3/8付「熱いライトに背中を押され-TDL出演(2)」にコメントをいただいている。 今年の「イッツ・ショータイム!」が始まった頃に「パフォーマーズ・ドリーム・フェスティバル」という単語で検索をかけたらヒットしたのが、ははだよさんの「木の実と一緒」だ。 ははだよさんはどちらかというとTDSの方がお好きなようだが、「イッツ・ショータイム!」の初日はTDLにいらっしゃったようなので、「3/7はぜひ観に来て下さい」とコメントを入れたら「必ずというお約束はできませんが、できるだけ応援しに行きたい」とのお返事をいただいていた。そうしたら、やはりお越しいただいていて、こんな記事を書いていただいた。リフトが挙がった姿の写真が最高! ははだよさんには、この更に数日後にも、こういう写真の入った書き込みをいただいた。 もうおひとかた、KoZさん。こちらは出演当日の夜に、自分たちのペア名で検索したら、彼の「TDR航海日誌」を見つけたので、早速お便りした。ごらんのとおり、この人が撮って下さった写真を、僕のブログのタイトル画像に使っています。 KoZさんは、ザッと拝読した限りでは、TDRの音楽系催しをかなり押さえておられる、いわば僕のワイド版みたいな方のように見受けられる。もちろん「イッツ・ショータイム!」はかなり追っていらっしゃって、他のグループの写真がかなり登場する。そして、こちらのかたには、ここに載っている以外の写真もお送りいただいた。 このお二方には本当に感謝しているが、以前書いたように、「フツーの人」になってからしか現場に戻って来てはいけないので、お二人とも直接にはお礼を申し上げることができないのが残念だ。もっとも、僕も含めて、ブロガーというのはそういうところは結構あっさりと考えているのかも知れない。 少々の悪天候でも行く若い子たちや親子連れ。年間パスポートを買って何度も足を運び、見たもの・見たことをブログに書く人たち。そんなディズニー・フリークの方々に、「イッツ・ショータイム!」は、そして東京ディズニー・リゾート全体は支えられているのだ……そんな思いを強くした、雨のディズニーランド。踊ったのは3分だけなのに、結果的には本当にたくさんの、たくさんの人たちの思いが詰まった3分間になった。 僕は、今までいろいろな舞台を経験してきた。でも、それらの数々の出演機会と、「イッツ・ショータイム!」は、何か違う。様々なジャンルの、様々な年齢のパフォーマーズをそれぞれ尊重してくれて、それでいて短時間でうまく捌く。そこに、エンタテインメントに対するTDRの独特の精神を僕は感じる。いつも観ているTDLやTDSのきらびやかなショウが、これと同じ気持ちを傾けて作られているのが感じられるのだ。 言うまでもなく、サルサ、アルゼンチン・タンゴその他のイヴェントが適当に作られていると言いたいわけではない。僕も催しを行う側に回ることもあるわけだし、僕が強調したいのは「ダンス界だけにいては経験できない緊張感」、それがTDRの舞台にはあるということだ。……だいたいそんな感じのことをしたためて、昨日オリエンタルランドにメールを送っておいた。 もちろん、来年もこの催しを続けて下さい、と書くのも忘れてはいない。実は、今振り付け中の新演目は、「3分以内、曲先」という、「イッツ・ショータイム規格」で作ることにしているのである。(了)
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