まずは6km-『2日だけ遍路』への道(1)
去年の夏に亡くなった母が生前、四国八十八か所霊場のお遍路をしたいと言っていたらしい。母の納骨も済んだこの春、父の1100km「同行二人」がいよいよ現実味を帯びてきた。 「俺は4月頃に歩き始めるからな。ゴールデンウィークあたりに暇があったら、お前らも2日ぐらい、混ざれ」 「八十八か所霊場巡り」というものがあるとは知ってはいたが、菅直人財務大臣が年金保険料未払問題で民主党代表を辞任した際に巡礼をしたとか、四元奈生美さんがNHKテレビの企画で2回に分けて回ったとかぐらいでしか僕は知らない。 そもそも、日数にしてからがそう。父によると45日が標準だそうだが、僕が今回慌てて買ってみた本では50日になっているし、またこのあいだ検索で当たった60過ぎのサイトの主は、37日で踏破したらしい。かと思えば、テレビ番組のスケジュールの都合とは言え、それより遥かに若い四元さんは、2回に分けて合計100日近くかけているし。 歩き通すのか、バスやタクシーなど自分の足以外の道具を使うのか。一度で行くのか、何回かに分けるのか。基本は右回りだが、左回りもやってみるのか等々、本当にそれぞれ、取り組む人に合わせた巡り方があるようなのだ。 その中で、あまりないだろうが、僕ら夫婦の場合は、「日にちだけ決めて、父がその日いる場所に合わせて、2日間だけ」という遍路である。父が本当にどこにいるかわからないので(それどころか、出発すらしていないので予想もなかなかつけようがない)、とりあえずは休みだけうまく都合をつけて、今、高知行きの飛行機の券を予約しつつある。 そして、準備しなければならないのは、もちろん四国へ向かう交通手段だけではない。「歩くための身体」もだ。 僕は学生時代はそれなりに歩いた。六甲山縦走五十余㎞も何度かやった。仕事をしだしてからも数回山は歩いたが、踊りにかける時間が増えると共に、歩く時間はだんだんと減っていった。平地かも知れないとは言え、1日20㎞もの距離を行くとなれば、やはりそれなりに事前のトレーニングは必要だろう。まして、父はそこに来るまでに半月以上歩き慣れているのだ。80近くの爺さんに、ヘタすると置いて行かれる! そこで! 僕たちも歩きます、休みの日に。目的地は、温泉。 まず1回目、3/14の日曜に、いつも踊りの練習で使っている施設から、「ここち湯」瀬谷目黒店の送迎バスが出ている相鉄線の瀬谷の駅まで歩いた(約6.5km)。左は出発点で希望に燃えているひと。右はこれからのひとっ風呂に心躍らせている奴です。道中の詳しいことはまた、明日以降に。
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