Le faltan 76 templos-『2日だけ遍路』への道(3)
朝7時40分。事情があって最初の計画からは数日遅れたが、父が確かその日から四国八十八か所のお遍路を始めているはずだった。ということはこの時間なら、その日の行程に思いを馳せながら、旅館で朝ごはんでも食べているはずだ。 チェックアウトは早うても8時半頃でしょ。部屋に電話機を置いてたら出えへんかも知らんなあ。そんなことをのんびり考えながら、僕は父の携帯電話の番号を押した。 ところが。「おお、何や何や何や? ああ、トシか?(「トシ」は両親の僕に対する呼び名)びっくりした。今ちょうど、一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)で『般若波羅蜜多心経』てお経あげよったとこや」 そうなんです。初日は、1日で最初の7つの札所を一気に打つ行程が一般的なようで、それを考えると朝7時台から動きだしとかんといかんのです。それにしても、何度も言いますが、現在78歳、あと1年余りで傘寿になんなんとするとは思えない父のこの元気は、一体どこから出て来るのか。 昨日、遍路3日目を迎えた父は、ほぼ僕が買ったこの本の行程どおり、12番札所焼山寺(しょうざんじ)までを打ち終わったらしい。この本のモデルコースとぴったり同じだとすると、僕たち夫婦が参加する日はちょうど高知県土佐市にある36番の札所から、高知市からはバスで小1時間という場所だ。まあ、高知空港までの航空券を確保している僕たちとしては、あんまり遠くまでは頑張って行かんといてくれという気分である。 先の月曜は雨の予報が出ていたので、歩きはその前日、つきみ野の映画館から自宅までの約2kmにとどまった。
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