在留外国人のつぶやき
「俺がこの国でただ1つ嫌いなのはね、警察だよ。俺が街を歩いてるといつも、何か悪いことしやしねえかって感じで見張ってやがる。俺がこの日本人のカノジョと歩いてるときは大丈夫なんだけど、ひとりでいるときは全然違うんだぜ。なぜかって? 俺が黒人だからだよ。 あんたが俺の国に行くとするでしょ? 俺の国の警察は、あんたを守ってくれる。なんでか、それはあんたが旅行者だから、旅行者は現地の人間に狙われやすいからだ、それが普通じゃん? 俺は、俺の国の警察に警戒されて、日本に来たら日本の警察に目ェつけられる。こんなバカなことがあるかよ?」 先日、六本木で飲食店を営むとある国の出身の男性が、僕の前でまくし立てた。営業時間中であるにもかかわらず、カウンターの中からだ。他にお客さんはいたが、その人たちは彼が彼の国の言葉で普通に喋ったら、ぼやいていると気付かないだろうという気安さがあったのかも知れない。 最初は、彼の国と日本の祭りの比較の話だった。曰く、日本の祭りは統率され過ぎていて、華が足りない。これはかつての軍国主義の影響だ、と。彼のこの理由づけには僕は賛成できないが、彼の国の祭りに比べれば、いわゆるはっちゃけた楽しさが少ないのは確かだとは思う。 そしてその話が、彼の「日本警察論」に発展してしまったのだ。こちらの内容の方が非常に興味深く、僕は思わず聴き入ってしまった。 もうほとんど日本の中の「出島」と化している六本木にしてもそうなのか、いや、そういう六本木だからそうなのか。いずれにせよ、これが単なる彼の思い過ごしであることを祈らずにはいられないが、そういう傾向が多少なりともあるとすると、これは実は日本サルサ界全体の発展に関わってくる話なのかも知れない。
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