バスに倣って、知事も謙虚に?
宮崎の旅の想い出話の最後に、もう一度「そのまんま」氏にご登場願おう。 氏は、昨年夏の国政の一大行事を前にして、本気か冗談かはわからないが、「自分をあなた方の大将にするなら、今の職を辞して立候補する」と明言した。ほとんどの人は「まさか、彼らがそんな条件を呑むわけがない」と思っただろうが、反面「勝つためには、もう爺眠党もなりふり構っていられないかも知れない」と怖れたのも事実だろう。 一方、氏は現職に就いて未だその(実質的な)1期目を全うすらしていない。あれだけ鳴り物入りで当選しておいて、途中で任務を投げ出してハイ永田町、とやってしまったら、果たして何人の県民が納得しただろうか。結局氏が今の職に「そのまんま」とどまることになったのは、結果オーライとは言え、よかったということは多くの人が認めることだろう。 そして、僕が県庁や物産館へ行ってみて改めて感じたこと。少なくとも「今の宮崎の観光」は、氏の存在なしにはあり得ないのだ。 観光物産館は、氏をキャラクター化してあしらった名産品の瓶や袋や箱たちで溢れかえる。県庁内のガイド付きツアーは氏自身の提案らしいし、県庁の入口には氏の等身大の人形だ。石原慎太郎さん、故・青島幸男さん、橋下徹さん、故・横山ノックさん、平松邦夫さん、田中康夫さん、森田健作さんら「もともと有名だった人」で首長になった方は数多いが、氏ほど徹底して自らを象徴にしている人は珍しいのではないか。 氏がもし今の職を辞めてただの「そのまんまセンセイ」になっても、例えば「観光特別大使」とかいう名目でこの状態を続けられるのか? 今と同じ土産物の売上水準を保てるのか? 答えはおそらく2つとも「いいえ」であろう。 氏には、自身が、県の知名度を如何に上げ、物産品の販売に如何に貢献しているかをちゃんと自覚していただきたいと思う。いや、さすがにもう今となればそこは十分おわかりだと僕は信じている。また僕にとって、国政に臨むことを想定した場合の氏の政治姿勢には疑問を感じる(現職ならよいが、国の法律を作る立場になるとするとちょっと違うだろうと思う)点がいくつかあることから言っても、氏は余人をもって代えがたい、それを痛切に感じた今回の県庁訪問だった。 最後の最後に写真をもう1枚。めっちゃ感動した宮交バスの行先表示板。
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