紀香ちゃんとサトエリちゃんと僕の脳腫瘍
僕が今朝、電車の中で読んでいた山田真哉「女子大生会計士の事件簿」の物語は、こんな流れだった。 --主人公が勤める監査法人の女性職員・和泉の婚約者が、自分の心臓病が重いことを彼女に隠した末に急逝してしまう。それを知っていたら、何かできたこともあったんじゃないか……自責の念に駆られる彼女に、後輩の会計士・在原は、その婚約者が書いていたけど削除したメールを、送ろうとしていた相手に送り直すソフトウェアを発明する。表面的には自分の病状を隠し通していた彼が、実は全てを受け入れつつ、和泉に感謝の言葉を秘かに書き綴っていたことを知り、彼女は号泣する-- 以前、藤原紀香さんや佐藤江梨子さんが、震災経験とその後の行動との関連について言及したのを聞いたことがある。「自宅マンションが全壊した」という神戸出身の山田さんも、このシリーズの小説で「神戸ルミナリエ」を扱っているし(主人公の1人・藤原萌実の姉は震災で亡くなった設定だ)、この章も、震災と無関係だとは思えない。 そんな話をたまたま読みながら向かった先は、東大病院。頭部MRI検査、およそ半年に1回の脳腫瘍の経過観察だ。おかげさまで、今回も「シロ」でした。 医療というものは、これまでのたーっくさんの患者の事例を積み上げた末の確率で動く。けいれん発作をまた起こす可能性が相当程度あるからやってはいけないことがあって、僕と似た腫瘍と似た手術をした後に再発した人がそれなりにいたから、定期的に経過観察をする、それだけの話だ。検査自体は今のところ別にしんどいものではないし、以前も書いたように小さな遠足気分で本郷まで行っているし、楽なものだ。 とは言え、今回も例によって、妻に「やだな~、行って欲しくないな~」と言われまくった。だから、妻や関西に住む家族をはじめ、たくさんの人や物に、感謝。
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