『研究概要書』という名の小論文
★原稿用紙8枚! NF大大学院・社会福祉学研究科(通信教育)。この大学院は、僕が申し込んだ「社会人入学課程」であるか一般入学課程であるかを問わず、大学の卒業証明書と共に大学院入学後の「研究概要書」を提出し、それらが認められさえすれば入学できる。入学試験はない。社会人入学には、これに「職務経歴書」や「在職期間証明書」が加わるくらいだ。 ところが、だ。その研究概要書「さえ」が「曲者のさえちゃん」だった。規定がなんと3,000から4,000字、つまり400字詰め原稿用紙にしておよそ8枚から10枚。立派な「小論文」である。去年の10月頃一度書いてみたが、この字数が満たせない。僕は頭を抱え、もう一度参考文献を漁った。「こんなんとこんなん研究しまっせ―、よろしゅうにー」では決して済まないのだ。募集要項の発表が夏で、出願が1月……無試験の入学選考なのにこれだけの期間を取っていることには、実はちゃんと意味があるのかも知れない。 また、僕はこれまで、通信制は「入りやすいが出にくい」と理解していたが、少なくとも今年の日福大では、志願者の30%が不合格になっている。僕が出願締切ギリギリまでいくつもの書類を書き直したのも、案外無駄ではなかったのだろうか。★アンバランス・ゾーンの謎 僕は、今いる職場で、新しい職員を募集する際には採用をも受け持っている。その中で感じてきたことは、特に新卒の学生たち(精神保健福祉士の資格取得見込者)は、僕のいるような地域福祉の事業所よりも、医療機関を選ぶ確率が高そうな気がしてきたのだ。 本当にそっちの仕事の方が面白いのならそれでいい。でも――医療現場にいたことはないからいい加減なことは言えないけれど――そう確信しているわけではないのに、ただそちらの方が身分が安定していたり、労働条件がよかったりというだけで選んでいるとしたら、精神障害者の生活にとって本来車の両輪であると言われる福祉と医療が、アンバランスなまま時代が進んでいることになるのではないのか。そんな数年来の疑問の解決場所を、僕は大学院に求めたのだ。★新たな出会いの場を求めて 僕が調べた範囲では、普通にスクーリングに通える場所にある大学院の中で、社会人入学枠があるのはこの大学だけだ。しかも、僕のようなウェブ小僧にとって、インターネットを利用した学習も進んでいる日福大は本当に便利だ。神様に与えられたこの2年間で、様々な人や、知性や、実践と精一杯出逢いたい。
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