太平洋上でオリヴィアを観た
以前、JALのメヒコ行きで飛んだ時にヴァンクーヴァーの空港だけに立ち寄ったことはあったが、一切建物の外には出ていないので、今回が実質「初カナダ」だった。行きは夕方に着いて、更に翌朝の出発が早かったので宿にほとんど缶詰めだったが、帰りは僅かに時間があり、朝少しだけホテルの周辺を散歩した。 帰国後読んだ高賛侑(コウ・チャニュウ)著「ルポ・在日外国人」(集英社新書、2010)によると、みんなを混ぜて「アメリカ人」にしようという「人種の坩堝」USAに対し、カナダは「違いをそのまま保つ、人種のモザイク」なのだそうだ。短期間の滞在でその違いはよくわからなかったが、どこへ行っても英仏2か国語の表示があったり、飛行機の機内アナウンスも2か国語だったりというのには興味をそそられた。 そして、カナダと言えばアイスホッケーである。オリンピックではいつも米加の二強対決が大盛り上がりだし、NHL (National Hockey League) の「ナショナル」はNBAやNFLと違い、実は本当に「カナダの」という意味だったりする(それでいて今はUSAのチーム数の方が多いのだが)。トロントから成田への機内上映のオン・ディマンド映画で、こんなのを見つけてしまいました。すっごい拾い物。 その名も「スコア:ア・ホッケー・ミュージカル」。アイスホッケーでミュージカルをやってしまおうというとんでもない企画である。主人公のアイスホッケー・プレイヤー、ファーリー(ノア・リード)は幼馴染みの女の子イヴ(アリー・マクドナルド)に恋するが、ライヴァル・チームの選手が横恋慕しようとする。イヴも本当はファーリーが好きなのに、小さなことから彼は誤解して2人の関係は危なくなる。 でもやがて2人は理解し合いファーリーのチームはしっかり勝利を収めて……と、物語ははっきり言ってそこそこの水準のものだが、本当に歌い出して踊り出すんです、みんな氷の上で、スケート履いたまま、スティック持ちながら。ある意味、シンクロナイズド・フィギュア・スケイティング並みにすごい作品やと思います。最後の方の盛り上がりはすごくて、ちょっと涙が出そう。 この作品、ロケ地のトロントやヴァンクーヴァーの国際映画祭にも出品されたらしい。でも、さすがにリンクで踊り出すシーンでは地元の人たちも笑い出したみたいやね。 アリー・マクドナルド、昨年9月のトロント国際映画祭のときの写真。 ファーリーの両親役の俳優。右側はもちろん、オリヴィア・ニュートン・ジョン。他の女優さんより明らかに声が通っていた。 この映画の日本での公開を期待します。でもやっぱし、難しいかなあ。とにかく、このカナダという国も、いずれまたゆっくり訪れて、深く知りたい国の1つになった。
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