『やった』けど『やれてない』2年間
今日、名古屋のキャンパスで、大学院の全ての専攻(通信・通学を問わず)を取り混ぜた「合同修士論文発表会」が、「障害者福祉」「児童福祉」などといった研究分野別の分科会に分かれて行われた。これまで、僕1人に対し教員3人という最終試験(口頭試問)を含め、何度か自分の論文の内容を披露する機会はあったが、今回は既に書き終わったもの(書き直しようのないもの)について報告するという意味で、気持ちは遥かに楽だった。 「福祉業界を目指す人を育てる側に回る」ことを一番の狙いに入った大学院。しかし、研究をしながら就職情報も追い続ける過程で僕は、専門学校ならともかく、「大学の教員」になるには、修士ではなく博士の学位が必要な場合が多いことを知る。そこで、次に自分を表現する場所として、学校だけでなく病院や地域福祉の現場などを広く考える方向に軌道修正した。 修士論文のテーマは「職員の育成・定着に関する現状と課題―NPO法人が経営する障害福祉の日中活動事業所における考察―」である。既存の文献や僕が独自で行った調査によって、「NPO法人が経営する障害福祉の日中活動事業所の職員が定着するためには、労働条件の改善、豊かな職場内コミュニケーション、職員の働き甲斐を具体化させること、研修の充実の4つである」という結論を導き出した。それらに対する僕なりの対応策を提起したことに関してはある程度の評価は得たものの、先行研究の掘り下げ方の深さや、調査対象の妥当性には課題が残った(時間的な限界があったとは言え、自分と近しい事業所に対するインタビュー調査によっての研究になった)。 2年間の院生生活は、「やった」という実感はあるが「やれた」という感触は足りない。大学院は卒業するが、大学の同窓会や、日本社会福祉学会などによって、学問の世界とはこれからも僕はつながりを持ち続けることになる。いつか必ず何らかの形で、この研究は続く。 まあ、その辺の不満や多少の不足感は置いといて、夜はキャンパス近くのビール園で、全専攻入り交じっての交流会! とは言え、やはり2年間一緒に頑張り続けた同期生たちと話すのが主になったけどね。 名古屋キャンパスへ行くのは今回が最後。そして来週末16日(土)に知多郡奥田町の本学で行われる学位記授与式(卒業式)に出席すれば、それで大学院関連の主な行事は終わりになる。映画や文楽やネットカフェなどで随分お世話になった学生割引ともお別れだ(T_T) ゼミが一緒だった池田さん。この歳になって、同い年のひとと出会ってしかもそういう関係で刺激し合えるなんて、それだけでも幸運だった。
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