議会は踊る

☆「パン営法」と「鉄営法」の緊急制定 ある国で、連続して凶悪な事件が起きました。そのうちの数件の犯人は、パン屋でパンを買った直後に犯行に及んでいることがわかりました。その国の警察当局はパン屋の一斉取締りを行い、その後「パン屋営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称パン営法)が制定され、パン屋さんの営業時間の制限や、18歳未満の人の成人同伴による立入などが規定されました。 それから数年経ち、その国で今度は男女関係に起因する事件が多発しました。電車を降りたあとの犯行がいくつか見られるため、その国の国会は、「終電は22時以前でなければならない」「男女の享楽的雰囲気を過度に醸成させることを防ぐため、女性用車両と男性用車両は必ず分ける」などを決めた「鉄道営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(鉄営法)の案を本会議に提出しました。 さて、あなたがこの国の国民だったとします。あなたは、どう考えると思いますか?①たまたまかも知らんけど、パンと犯罪・電車と犯罪との間にそういう流れがあるなら、そういう規制も受け入れることが、社会の安全のためには必要でしょ。②このような法律も要るやろけど、規制はもう少し緩くてもええんちゃうの? 俺たちの生活に影響するよね。③そういう因果関係て、もっとちゃんと科学的に解明すべきでしょ? それだけのことでパン屋さんや鉄道会社がみんな悪者にされたら、いつ俺たちも規制されるかわかったもんやあれへん。 この問いには決まった答えがあるわけではなく、これをお読みの方の考え方によって正解は異なると思う。僕が言いたいのは、いま日本のダンス界に起こっていることが、まさにこれなのだということだ。☆僕たちは自ら「享楽的」にやっています 昨17日(金)、衆議院第一議員会館で開かれた「『ダンス規制の見直しを求める請願署名』提出集会」に出た。パフォーマンス集団 Tap Jam Crew の踊りと演奏に続き(舞台には、左から2番目のこの→ひとも引っ張り出されて踊った。夕刊の1面ネタになるかと思った)、Let's Dance 署名の呼びかけ人・賛同人たちが次々マイクを取った。タンゴ界ではジョルジュ高橋師匠、またサルサ界を代表する形で岩村健二郎さんが発言した。 左から、Gyu、棚田晃吉さん、ジョルジュさん、ヨシ矢野さん。 岩村さん。 サルサ界では他にアヤちゃん(Aya & Kita)やミキちゃん(Osmel y Miki)らと会場で会った。 僕には岩村さんの発言が興味深かった。曰く「自分がサルサの演奏を始めた20年ほど前は、みんなライヴでひとりずつで身体を揺らしていた。それが今、ちゃんとペアの踊りになっている、そんな歴史を僕はずっと見てきた」 ここに僕の解釈を差し挟むと、去年11月に警察庁から出た「『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令の一部を改正する政令案』等に対する御意見及びこれに対する警察庁の考え方について」では「ヒップホップダンスや盆踊りなど、男女がペアとなって踊ることが通常の形態とされていないダンスを客にさせる営業は、それだけでは、男女間の享楽的雰囲気が過度にわたる可能性があるとは言い難い」ので規制対象にしないとしている(3ページ後半から4ページにかけて)が、「享楽的雰囲気」は、実はペアで踊るかシングルで踊るかとは別の問題なのである。へ理屈の水準の内容にへ理屈で反論しても仕方がないのでほどほどにしておくが、「享楽的雰囲気を過度に出してこそ」の踊りで「享楽的雰囲気」を出すなと言われても、僕たちダンサーは困ってしまう。☆麻雀は僕もやる、だけど 集会では、「ダンス文化推進議員連盟」のメンバーになると思しき議員の皆さんの名前も、一通り読み上げられた。僕がよく見知った、かつての仕事の場であった藤沢市選出の代議士の名もその中にあって、その広がりに唸ってしまった。議連と法律改正の現実性との関係について僕はよく知らないが、これだけ超党派で幅広い議員が味方についてくれれば、何とかなるのではないか。 最後に、参考までに、僕たちがやっているダンスが、風営法上どういうものと同列に扱われているかをここにお示ししたい。言うまでもなく、僕は喫茶店へも行くし、雀荘へ行ったこともあるし、ゲーセンで「ビートマニア」に凝った時代もあった。でも改めて考えてみたい、麻雀や「ポップンミュージック」は人の心を動かすことのできる「表現行為」になり得るだろうか。 この条文から「ダンス」を外すことが、僕たちの1つの目標地点なのである。外さなければ、いつまた、「僕たちが踊っている実態」ではなく「法律があるという形」の方を向いて政を行う者が出てくるかわからないし、いつ「パン屋」や「鉄道会社」が「風俗営業」に規定されても、僕たちが文句一つ言えない世の中を作りたくはないのだ。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年七月十日法律第百二十二号)第二条  この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。一  キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業二  待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)三  ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第一号に該当する営業を除く。)四  ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業(第一号若しくは前号に該当する営業又は客にダンスを教授するための営業のうちダンスを教授する者(政令で定めるダンスの教授に関する講習を受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者に限る。)が客にダンスを教授する場合にのみ客にダンスをさせる営業を除く。)五  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた客席における照度を十ルクス以下として営むもの(第一号から第三号までに掲げる営業として営むものを除く。)六  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの七  まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業八  スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)2(省略)3  この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。4(以下省略)

千兵衛の "「居場所カレー屋」まで、HALF A MILE AWAY"

「昼ごはん時はカレー屋さん、午後は若い子たちの居場所にして、晩ごはんの時間にはまたカレー屋に戻る……」そんなお店を将来やることだけは決めた。ただ、カレーを作るのと人と話すのは好きやし今までやり倒してきたけど、店を経営したことがあるわけじゃなし、皆さん、知恵と力を貸して下さーい!というサイト。踊ったり遊んだり、毎日の生活満載の Instagram, Facebook やブログのリンクも貼っています!

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